つい20年前までは、真の意味で「サラリーマンは我慢」の時代だった。すし詰めの通勤電車にガマン。1週間前に突然言い渡される転勤にもガマン。毎日の残業にもガマン。 ガマンガマン、そう皆が思っていた時代だった。 なぜ酷い環境に皆が我慢できたのか。簡単だ。我慢することにそれなりの見返りがあったからだ。 普通の企業に入っただけで、定年までそれなりの生活を約束され、「サラリーマンは気楽な家業」と、生活の心配をせずに生きていける。 さらに、それなりの大手に入れば社会的な地位と信用まで手に入り、配偶者、家、クルマなどが一通りに手に入った。 たとえ「通勤、転勤、残業」などにおいて、非人間的な扱いを受けたとしても、「我慢すること」は勝ち確定の目に自分の人生をかけることができた。 それゆえ団塊の世代は「転職や副業など、考えたこともなかった」という人は多いだろう。「石の上にも三年」という言葉は彼らの時代には合理的