(前回から読む) 前回のコラムでは、大学スポーツがプロ顔負けの規模のビジネスとして成長しており、とくにアメリカンフットボール(アメフト)部が大学運動部からの全収入の大半を稼ぎ出している構造を解説しました。 例えば、今年、学生アメフトで全米チャンピオンになったアラバマ大学を例に挙げると、19ある運動部からの収入(2007~08年シーズン)は約8890万ドル(約80億円)でしたが、そのうちアメフト部からの収入はその3分の2に当たる約5740万ドル(約52億円)にも及びます。同部のニック・セイバン監督の年俸400万ドル(約3億6000万円)も、こうした巨額の収入があるから可能になっているわけです。 たかだか大学運動部の監督に、8年総額3200万ドル(約28億8000万円)もの巨額の長期契約を提示する…。日本では、まずあり得ない出来事でしょう。しかし、米大学アメフト界では、こうした巨額のプロコーチ