2021年5月29日のブックマーク (1件)

  • 記録|牧野 曜

    数日前、父が死んだ。 朝方だったので死に目には会えなかった。 東京駅から新幹線に乗り、昼前に父が入院していた神戸の病院についた。 姉はどうしても外せない出張先から同じく新幹線に乗ってやってきた。 病理解剖をしたいといわれたので、病棟の入り口の椅子に座り母と姉と三人で待つ。 10時から始まった解剖は、2時間くらいで終わると思っていたが結局3時までかかった。 主治医の説明では感染対策に時間がかかったそうだ。 その後、明日の火葬まで遺体を安置してくれるとのことで、葬儀会社まで付き添った。 遺体を運び出し終えて、事務所で料金の説明を受ける。 父の兄弟はみな関東に住んでいて、神戸にいるのは私たちだけだ。 典型的な都会の核家族。 父の兄弟は高齢なので、新型感染症禍の最中に神戸まで来てもらうのは遠慮してもらった。 となると見送るのは家族3人だけだ。 父は工学部出身のエンジニアで製鉄会社に勤務し、研究開発

    記録|牧野 曜