【上海・林哲平】中国・上海でスマートフォン(スマホ)のタクシー配車アプリが大流行している。3年前に始まったサービスには、市内の運転手の8割に当たる約8万人と、650万人のタクシー利用希望者が登録していると言われる。一方、スマホに縁遠く、近距離の利用が多い高齢者が生活の足を失う「タクシー難民」が問題化。市は4月から中国で初めて規制に乗り出したが、効果は限られているようだ。 【タクシー】呼び出しアプリに英語版 2020年東京五輪見越し ◇運転手、長距離予約客を優先 上海市中心部の病院前で、退院したばかりのおば(82)の車いすを押す女性(61)は途方に暮れていた。手を挙げる女性の前を空車を示す青いランプのタクシーが次々と通過していく。「どれだけ待ってもつかまらない。最近は本当にひどくなった」。通り過ぎるタクシーの多くは「アプリによる配車で長距離の客を待っている」(病院の守衛)という。「この年