9月。球団初の優勝を目前に控え、満員に膨らんだKスタ宮城のスタンドを眺めながら、岡野寛大は熱い感情が込み上げてくることを感じていた。 今から8年前。当時フルキャストスタジアム宮城と名乗っていた同じ場所で、大学生だった岡野は全国荒鷲連合会の副団長として楽天ファンの前に立っていた。 「1年目のスタンドを思うと今の応援風景は信じられないですね。僕らはまったくの応援素人の集まりで、いろんな人に助けられながらここまでやってこれたんですよ」 大阪・藤井寺で生まれ、近鉄ファンとして育った岡野だったが、2004年夏に端を発した球界再編で、近鉄がオリックスと合併することで消滅。仙台に新球団・東北楽天ゴールデンイーグルスが誕生した。岡野は近鉄の消滅をどうしても受け入れることができず、合併球団ではなく東北の新球団を応援することを決意する。 「気持ちが整理できないまま近鉄が消滅してしまって、すんなりと合併球団も応
![僕は楽天イーグルスの「初代応援団員」だった。(村瀬秀信)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/68c26eaced27b3cacd03c0a1713949540bef7e40/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnumber.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F7%2F8%2F-%2Fimg_78b57484551cbe334850080ee6f4f931237587.jpg)