東京都知事選(23日告示、2月9日投開票)で、沖縄県・尖閣諸島を巡って対立する日中関係も論点となる可能性が出てきた。 出馬表明した元首相の細川護熙氏(76)の陣営に、当選直後の訪中案が浮上しているためだ。政府は、細川氏が政府と異なる見解を示して中国側に付け入る隙を与える「二元外交」になりかねないと懸念している。 東京都と北京市は、1979年に姉妹友好都市の提携を結んでおり、細川氏周辺からは、「知事になったら、都市間交流の一環として早期に訪中すべきだ」との意見が出ている。日中首脳会談のメドが立たない現状を踏まえ、存在感を示す狙いがあるとみられる。 ただ、細川氏は1993~94年の首相在任中、太平洋戦争を「侵略戦争だった、間違った戦争だった」と記者会見で述べ、自衛隊観閲式で「軍縮についても、世界に率先してイニシアチブを取っていかなければならない」と訓示した経緯がある。急ピッチな軍拡を背景に尖閣