同じ著者の「性風俗のいびつな現場」がなかなか良かったので、買ったのだが、こちらは中々に酷かった。 両書とも基本的には様々な角度、手法から特定の問題にアプローチする感じなので、一冊の本としては散漫になるし、内容的にも深いものにはならないのだが、この本ではそれがマイナスの作用しかもたらしていない。 性風俗が不倫ワクチンとはなりえない、と前半部分で書いておきながら、結論的には条件付き婚外セックスを受け入れるべき、とし、その例示として自身のNPOの活動を紹介しているのだが、正直それが風俗と寸分違わないもので、論理破綻している。 記述の多くは何を元に書かれているものなのかもよく分からず、かといって、体験談的なものとするには余りに表面的で、大凡お粗末としか言いようの無い本であった。 不倫に対しては防げない、というのは分かるが、それを社会問題として捉えるならば、最終的には一夫一妻制の家制度以外の制度を取