【バンコク=石崎伸生】フィリピンのアキノ大統領は4日の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)のインタビューで、南シナ海の領有権を巡って同国に圧力をかける中国をナチス・ドイツになぞらえ、「我々が間違っていると思うことに『イエス』と言って、事態が悪化しない保証があるのか」と述べ、中国に対抗する上で各国の支援を求めた。 大統領は、第2次世界大戦前の1938年、ナチス・ドイツによるチェコスロバキア・ズデーテン地方の併合を認めた宥和政策で、戦争を防げなかったことを指摘。「(国際社会は中国に対して)どの時点で『いいかげんにしてくれ』と言うのか。国際社会はそれを言わなければならない」と訴えた。 南シナ海を巡る中国とフィリピンの対立は先鋭化しており、同国はスカボロー礁の領有権などについて、中国を国連海洋法条約に基づく仲裁裁判所に提訴している。