「僕の家は、別に父が医者というわけでもないし、特にまわりに医者がいたわけでもないので、医学部に行く強い動機づけがあったわけではないんです。高校時代までに、いろいろ本とか読んだりする中で、医者の仕事はやりがいがありそうだというふうには感じていて、医学部に進学したというのが実際のところです。大学時代はアメリカンフットボール部で、結構怪我をすることが多くて、大学病院の整形外科にお世話になることが多かったのと、5年生になって実習で各科を回り始めた時に整形外科は明るくて楽しい雰囲気で、そういうところに惹かれて整形外科を選びました」 松田さんと話していると、深刻ながんや遺伝性の疾患の話題でも、難しいゲノム解析の話でも、常に楽観的で明るい雰囲気なのだが、一貫して、ものごとの明るい面、楽しい面を見出す性質なのであろうと「腑に落ちる」感覚を抱いた。 「ただ、一般外科のように命に関わる疾患にかかわることへの憧