東日本大震災では津波による火災が各地で発生し、被害を拡大して救助活動の妨げになるなど大きな問題となりました。 この津波火災を基に専門家が南海トラフの巨大地震で津波火災がどのくらい発生するのか予測した結果、23の都府県でおよそ270件発生するという推計を初めてまとめました。 名古屋大学准教授の廣井悠さんは、東日本大震災で浸水した地域の中にある住宅や車、重油流出の有無、それにプロパンガスの使用率などと火災との関係を調べ、南海トラフの巨大地震が起きた場合の津波火災の発生件数を初めて予測しました。 推計は、国が行った南海トラフの巨大地震の想定のうち、東海と近畿、それに四国にそれぞれ高い津波が押し寄せるケースに分けて行いました。 その結果、東海と近畿に高い津波が押し寄せるケースで発生する津波火災は、それぞれおよそ270件と推計されました。 四国に高い津波が押し寄せるケースでは、およそ250件と推計さ