社会は理解し支援を 「子どもに愛情がわかなかった」――。奈良県桜井市で5歳男児が餓死した事件で、母親(26)はこう供述した。わが子を「かわいいと思えない」と感じた経験のある親は少なくない、と虐待防止の専門家は指摘する。親が子に否定的な気持ちを持つことはあると周知し、早めに支援する仕組み作りが必要と訴える。 大阪府内の主婦(35)は4年前に長女を出産した後、2歳上の長男をしかることが多くなった。 夜泣きをする長女の世話で眠れない日が続いた。長男は「一緒に遊ぼう」と甘えてくる。牛乳をこぼしたり、トイレトレーニングに失敗したりすると腹が立った。仕事が忙しい夫に助けを求めることはできず、近所に知り合いもいなかった。 「息子の姿を見るだけでイライラするようになった」。ささいなことをきっかけに長男の頭をたたき、体を押し倒した。「なんでママだけしんどい思いせなあかんの」と叫んでいた。感情を抑えきれない自