2019年1月7日発売の月刊『創』(つくる)の特集は「出版社の徹底研究」だ。12月は年末進行で取材・執筆が本当に大変だったが、今の出版界をめぐる興味深い状況がいろいろわかって面白かった。11月に取材したテレビ界もそうだったが、いまメディア界はドラスティックな構造的変化を遂げている。以前の方程式があてはまらないような現象が次々に起きているのだ。 ここで報告する講談社のケースもその一つかもしれない。詳細はぜひ『創』の特集を読んでいただくとして、ここでその一部を紹介しよう。 講談社の社屋にかかる垂れ幕は 大手出版社の社屋には、ヒットしている本の垂れ幕がかかっている。マガジンハウスでいえば「君たちはどう生きるか」だが、いま講談社の社屋にかかっている4本の垂れ幕のうち2本は『転生したらスライムだった件』と『はたらく細胞』だ。これが今、講談社で「異例の大ヒット」と言われているのだが、作品名を聞いてもわ