■日本のノブレス・オブリージュ 「ノブレス・オブリージュ」という言葉があります。「高い身分に伴う義務」という意味のフランス語です。このことについて、現代に生きる私たちは、今まで以上に意識しなくてはならないと思います。なぜなら、日本の今日(こんにち)の平和や繁栄を築いた礎こそ、この「ノブレス・オブリージュ」だからです。 19世紀末の極東研究家ヘンリー・ノーマン氏は、その著書の中で、日本が他の東洋専制国と異なる唯一の点は 「従来人類の案出したる名誉の掟中でも最も厳格なる、最も高き、最も正確なるものが、その国民の間に支配的勢力を有すること」 にあるとしました。これこそまさに、この英国人ジャーナリストが見た日本のノブレス・オブリージュであり、近代日本の発展の原動力となった精神、武士道だったのです。 ■忘れられた日本のノブレス・オブリージュ しばらく前に、ネット上であるコラムが話題になっていました。