うかつだったと…大林宣彦監督 高畑さんは「映画で平和をつくる意思が明快だった」
「正面から真っすぐおじいさんの目を見つめるハイジの表情を描いてほしい」 テレビアニメ「アルプスの少女ハイジ」のキャラクターデザインを担当していた私に、高畑勲(いさお)監督はこう注文した。 私はそれまでスイスの山奥で暮らす女の子をイメージできず悪戦苦闘していた。彼の指示を聞いた瞬間、私の頭の中で鮮明に浮かび上がったのが、テレビで放送されたあのハイジの表情だった。私の当初のイメージはごく普通の愛らしい女の子だったが、高畑監督は厳しい大自然の中で生き抜く強い心を持つ少女を明確にイメージしていた。それがおじいさんの目を真正面から見据えるハイジだった。彼には明確な演出力があったのだ。 東映動画で私と彼とは同期入社。彼の演出力の高さに注目しており、ようやく一緒に製作できる機会が回ってきたのが、劇場版アニメ「太陽の王子 ホルスの大冒険」だった。彼が監督、私がキャラクターデザイン、そして宮崎駿(はやお)が
「日常生活の中にこそ喜びや驚き、奇跡がある」。高畑勲監督の全作品には、この哲学が貫かれていた。 昭和43年、「太陽の王子 ホルスの大冒険」で劇場用長編アニメの初監督を務めた当時、アニメは「誇張」や「省略」の手法を用いて描くことが主流。その中で、高畑監督は徹底した生活描写や舞台設定を行い、作品に「リアリズム」を持ち込んだ。「アルプスの少女ハイジ」では舞台のスイスを訪ね、現地の暮らしを体験。ハイジがチーズを食べる場面は本当に「おいしそう」と思えるなど、ワクワクする映像を作り上げた。 さらに、山小屋の食卓からヤギのいる小屋までハイジは何歩で歩けるか…など緻密な設定を練り上げ、アニメに実写作品のような「俯瞰(ふかん)的な視点」を導入したのも高畑監督だ。盟友の宮崎駿監督とともに、他の作品や後進の監督に大きな影響を及ぼし、現代アニメの基礎を築いた方といえる。 51年の「母をたずねて三千里」では、家族の
3月13日今夜、スタジオジブリの高畑勲監督作品「かぐや姫の物語」が金曜ロードSHOW!で地上波初放送する。ノーカット放送するために放送枠を拡大し、いつもより約1時間前倒しの夜7時56分からの放送だ。 ストーリーについては、もはや説明するまでもない。「竹取物語です(完)」といった感じだ。もちろん、かぐや姫と幼い頃から知る「捨丸」というキャラクターが登場したり、御門のアゴがめっちゃ長かったりと、「竹取物語」中にはない要素も登場するが、基本的には忠実に作られている。 「かぐや姫の物語」でいつも話題になるのがキャッチコピーの「姫の犯した罪と罰」。上映当時も「結局、姫の犯した罪って何? 罰ってどういうことだったの?」という感想が目立った。「かぐや姫の物語 罪と罰」で検索をかけた人もたくさんいるはずだ。 エキレビ!にも、久保内信行による「『かぐや姫の物語』考察。『姫の犯した罪と罰』とは何か」という記事
第87回アカデミー賞の長編アニメ映画賞にノミネートされた高畑勲監督の『かぐや姫の物語』。昨年も『風立ちぬ』や『九十九』がノミネートされるなど、日本のアニメーションが世界で高い評価を受けていますが、受賞は『千と千尋の神隠し』以来ありません。『かぐや姫の物語』はアメリカの批評家たちにどのように見られているのでしょうか。 『かぐや姫の物語』芸術作品として高評価も苦戦か 『かぐや姫の物語』は、米批評家たちから「幻想的な傑作」「真の芸術作品」といった好評なレビューを獲得。高畑監督は、ディズニー&ピクサーのトップであるジョン・ラセターをはじめ、世界中のアニメーターが敬愛する宮崎駿監督と並ぶ日本アニメ界の巨匠として紹介され、同作は78歳にして生み出した最高傑作と評されている。オスカーに向けた賞レースでは、ロサンゼルス映画批評家協会賞にて最優秀アニメーション映画賞に輝いている。 アカデミー賞のノミネーショ
第87回米アカデミー賞で長編アニメ部門にノミネートされていた『かぐや姫の物語』での受賞は惜しくも逃しましたが、アメリカのロサンゼルスで高畑勲監督と西村義明プロデューサーが会見を開きました。 同賞を受賞したディズニーの『ベイマックス』をはじめ、アニメーションの世界ではCGが全盛の時代。手描きのタッチにより、観客の想像力を引き出す作品づくりにこだわる高畑監督は、“平面アニメ”への強い思いを語りました。 多くの作品が3DCGになっている。 受賞できれば、平面の絵で物語を表現する火が消えにくかったので残念。 ――アカデミー賞の感想をお願いします。 高畑: 面白いイベントだったんですけど、残念ながら取れませんでして。せっかく集まっていただいたのに、期待に応えることができなくて、すみませんでした。それは、しょうがないですね、運だと思ってましたから、最初から。対抗馬もだいたい観たんですけど、すごく良い作
第87回アカデミー賞では、長編アニメーション賞はディズニーの『ベイマックス』が受賞し、『かぐや姫の物語』は惜しくも受賞を逃しました。昨年の同部門では、宮崎駿監督の『風立ちぬ』が、ディズニーの『アナと雪の女王』に敗れています。 この報道に、アメリカのジブリファンからは、『かぐや姫の物語』の落選を惜しむ声が寄せられています。 米国ジブリファンの『かぐや姫物語』落選を惜しむ声 「『ベイマックス』が受賞したって?なんだよ。『かぐや姫の物語』に受賞してほしかった」 「個人的には、『かぐや姫の物語』の方が受賞にふさわしいと思うが、『ベイマックス』も素晴らしい作品だったから、うれしい」 「オスカーはもう冗談になってしまった。真剣な映画愛好家は、『ベイマックス』よりも『かぐや姫の物語』を高く評価している。だが、この結果には驚かない。昨年は『アナと雪の女王』が受賞しているんだ」 「『かぐや姫の物語』は201
米映画芸術科学アカデミーは15日未明、ロサンゼルスで第87回アカデミー賞の候補を発表した。長編アニメ部門に高畑勲監督「かぐや姫の物語」が、短編アニメ部門に在米アーティスト、堤大介さんの「ダム・キーパー」がそれぞれ候補入りした。 作品賞候補にはドイツ軍の暗号機エニグマを解読した数学者チューリングの人生を描いた「イミテーション・ゲーム」や、ゴールデングローブ作品賞「6才のボクが、大人になるまで。」など8作品が挙がった。 竹取物語をモチーフにした「かぐや姫の物語」はスタジオジブリ作品では4回目の候補入りだが、高畑監督としては初めて。「ダム・キーパー」は大気汚染から小さな街を守る豚の少年が主人公。堤さんは米ピクサー・アニメーション・スタジオで「トイ・ストーリー3」などを手がけ、昨年独立した。(ロサンゼルス=藤えりか) 高畑勲監督は「光栄に思います。アカデミー会員の方々、この作品を評価して下さった方
米アカデミー賞候補が1月15日(現地時間)に発表され、長編アニメーション賞に高畑勲監督「かぐや姫の物語」がノミネートされた。スタジオジブリ作品としては4作目、高畑監督としては初めて。発表は日本時間の2月23日午前に行われる。 「かぐや姫の物語」は高畑監督の14年ぶりの作品として2013年に公開された。これまで、ロサンゼルス映画批評家協会賞(アニメーション映画部門)、ボストン映画批評家協会賞(同)、トロント映画批評家協会賞(同)を受賞している。 短編アニメ賞には、米国で活動する堤大介氏が共同監督として手がけた「ダム・キーパー」がノミネートされた。 作品賞には「6才のボクが、大人になるまで。」(リチャード・リンクレイター監督)や「アメリカン・スナイパー」(クリント・イーストウッド監督)などがノミネートされている。 高畑勲監督のコメント 「かぐや姫の物語」が、アカデミー賞長編アニメーション映画部
【第87回アカデミー賞】ジブリ『かぐや姫の物語』ノミネート決定! 宮崎&高畑で2年連続 cinemacafe.net 1月15日(木)22時36分配信 2013年に公開され話題を呼んだ、スタジオジブリの高畑勲・監督作『かぐや姫の物語』。公開当時、その匠の技に「国宝級」とまで称された本作が、1月15日(日本時間)、第87回米アカデミー賞のノミネート作品発表が米ロサンゼルスで行われ、「長編アニメーション部門」でのノミネートが決定した。 <写真/第87回米アカデミー賞「長編アニメーション部門」ノミネート作品(各大サイズ)> 本作は、日本最古の物語文学「竹取物語」に隠された、ひとりの少女・かぐや姫の“罪と罰”を高畑監督が独特なタッチで描いたもの。製作に8年を費やし、総製作費は50億円が投じられている。 昨年、『アナと雪の女王』に軍配が上がった「長編アニメーション部門」。昨年度のノミネート段階では
アメリカ映画界で最高の栄誉とされるアカデミー賞の各賞の候補が発表され、長編アニメーション賞に高畑勲監督の作品、「かぐや姫の物語」が、また、短編アニメーション賞にアメリカを拠点に活動する堤大介監督の作品、「ダム・キーパー」がそれぞれノミネートされました。 ことしで87回目を迎えるアカデミー賞の各賞の候補が15日、ロサンゼルス近郊のビバリーヒルズで発表されました。 このうち長編アニメーション賞には高畑勲監督の作品、「かぐや姫の物語」が5つの候補のひとつとしてノミネートされました。 「かぐや姫の物語」は竹取物語を原作に、かぐや姫が何のために地球に来て、なぜ月に帰ることになったのかを独自の視点で描いた作品で、美しい映像表現が海外でも高い評価を受けています。 日本の映画がアカデミー賞の長編アニメーション賞にノミネートされるのは去年の宮崎駿監督の「風立ちぬ」に続いて2年連続、4回目で、高畑監督の作品が
The Tale of Studio GhibliOne of the world's finest animation studios is stopping making feature films STUDIO GHIBLI, the animation studio behind the Oscar-winning feature film “Spirited Away”, has frequently been described as Japan’s answer to Disney. It’s perhaps closer to the truth to call it Japan’s antidote to Disney. Studio Ghibli’s lush, hand-drawn, 2-D animation, disregard for Hollywood nar
by Gorka Linaza アカデミー賞やベルリン国際映画祭の金熊賞を受賞するなど、スタジオ・ジブリ作品は海外からの評価も高いのですが、イギリスの新聞The Economistはジブリ作品「かぐや姫の物語」について「国際舞台に上る最後のジブリ作品になるかもしれない」として作品の善しあし以外に国際的なアニメ状況全体の問題を指摘しています。 Japanese animation: The Tale of Studio Ghibli | The Economist http://www.economist.com/blogs/prospero/2014/12/japanese-animation スタジオ・ジブリは1985年に設立してから数々のアニメーションを生み出しており、2001年に公開された「千と千尋の神隠し」は日本歴代興行収入第1位になるだけではなく、アメリカ・アカデミー賞も受賞しま
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