日本だけでなく、世界的にも人気のウルトラマン。その関連グッズの海外独占利用権は、あるタイ人の手元にあった−。9月30日、そんな衝撃の判決が東京地裁で言い渡された。地裁はタイ人実業家側の訴えを認め、作品を生み出した円谷プロダクション(東京都世田谷区)に対し、約1636万円の支払いをタイ人から権利を引き継いだ会社へ支払うよう命じた。この問題の取材を続けているノンフィクション作家の安藤健二氏に寄稿してもらった。 訴えていたのは、タイ人の実業家、ソンポート・センゲンチャイ氏(70)。日本の東宝撮影所に留学し、ウルトラマンの生みの親、故・円谷英二氏や息子の円谷プロ元社長、故・円谷皐氏と親交を深めたソンポート氏は「皐氏から、ウルトラマンの海外利用権を譲渡するという契約書をもらった」と主張。「契約書は真っ赤な偽物だ」とする円谷プロと真っ向から激突した。両者はこの契約書をめぐり、1997年から10年以上