今年も長く暑い東京の夏が終わりを告げるころ、街中のサラリーマンたちは自分のワードローブを憂鬱そうに眺めていた。 毎年5月から9月にかけて、保守的なことで有名な日本の会社員や公務員は、堅苦しいダークスーツからカジュアルな服装に着替える。ネクタイと糊のきいたシャツは脱ぎ捨てられ、半袖のポロシャツやリネンシャツ、ときにはハワイアンシャツまで登場する。そして、暦が10月に近づくと、気温が急激に下がらなくても、フォーマルな装いが戻ってくる。 シンプルで費用対効果の高い対策 この変身は日本の取り組みの一環で、「クールビズ」として知られる(「ホットビズ」という名称を使わずに、前向きな捉え方をしている)。5月1日から、職場は節電のためにエアコンの設定温度を摂氏28度に設定することになっているが、湿度の高い東京では汗だくになるのは必至である。 不快ではあるものの、日本のオフィスは世界各国が記録的な熱波や異常