政府は「宇宙太陽光発電システム」の実現に向けて、2022年度から宇宙空間で太陽光パネルを展開する実証実験を開始する。パネルの大型化や送電技術の確立などの技術面や、コスト負担などの予算面での課題を克服し、脱炭素社会を支える新たなエネルギー源として、50年までの実用化を目指す。 【図表】2030年度の太陽光発電導入見通し 政府、来年度から 実証実験は宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))と文部科学省が共同で実施する。22年度に、国際宇宙ステーションに物資を届ける「新型宇宙ステーション補給機1号機」にパネルを搭載して打ち上げ、23年にパネルを展開する計画だ。当初のパネルは縦2メートル、横4メートルほどだが、将来的に搭載するパネルの枚数を増やして大型化する。 宇宙太陽光発電は、地上の天候や昼夜に左右されず、安定的に地上よりも強い太陽光を利用できるのが利点だ。発電時に温室効果ガスも排出しない。