本連載前回記事では、地方の赤字路線バスを再建するにはどうしたらよいか、読者の皆さんに考えていただいた。果たしてどのようなアイデアが出たでしょうか。今回ご紹介するのは、埼玉県川越市に本社を持つ従業員180人のイーグルバス株式会社。たまたま6月25日放映の『カンブリア宮殿』(テレビ東京系)でも取り上げられたので、ご覧になった方も多いのではないか。 赤字事業の問題を発見する 観光バス事業を営んでいたイーグルバスは2006年、西武バスが撤退した日高-飯能の赤字路線バス事業を引き継いだ。谷島賢社長は再建策を練る前に、まず問題がどこにあるか突き止めることにした。 赤字事業では、問題の所在がわかっているようで実はよくわかっていないことが多い。社長自ら路線バスに乗って状況を観察し、地元大学の協力を得て地域住民の全戸アンケートを実施するなど、路線バス事業の問題を利用者の立場に立って徹底的に「見える化」しよう