山腰修三のメディア私評 10月31日に投開票が行われた衆議院選挙は、与党の絶対安定多数維持という結果に終わった。11月1日の朝日新聞社説は、今後の課題として「言論の府の立て直し」を挙げ、1面のゼネラルエディターの署名記事は選挙後の岸田政権の運営について、安倍政権および菅政権の「負の遺産」を引き継ぐべきではないと注文を付けた。 いずれの主張も安倍・菅両政権の総括、とくに両政権下で進展した「政治の劣化」にどう向き合うかが選挙の争点の一つであったことと関連している。安倍・菅両政権は説明責任を十分に果たさず、質問に正面から答えなかった。また、批判や異論に耳を傾けず、科学や学術を軽視した。都合の良い虚偽の言説は放置され、果てには公文書の改ざん・廃棄が横行した。 こうした状況が、例えばコロナ対応にも大きく影響を与えた点は否定しえない。それゆえ、野党は「まっとうな政治」の回復を主張し、岸田文雄首相も「聞
青森県弘前市は山田良政、純三郎兄弟の生地である。明治の言論人、陸羯南が喝破した「名山のもとに名士あり」と謳われた追木山(岩木山)が四季折々に姿を変え、仰ぎ見るものに愛着と、言うに言われぬ心の鎮まりを与えてくれる。 戊辰の戦火を避け、いまも残る津軽藩の居城であった弘前城は、城郭を中心に公園として整えられ日本有数の桜の名所として季節の時をにぎわしている。桜枝の隙間から仰ぐ岩木の頂は陽光に輝き、雪と桜がまるで人目を競い奪い合うかのように津軽平野に共生している。 菊地九郎がその礎を遺し、羯南や良政や純三郎を育んだ弘前の地ではその遺志を継承する人々が多く暮らしてしている。儒学者、伊東梅軒の子で医師の伊東重、孫の郷学者、伊東六十次郎、教育界の重鎮、鈴木忠雄などは郷土文化の伝承、人材輩出の養土のように、まさに郷学にして有力といった弘前教育の独特の養成法があるかのようにもみえる。 それに加えて東奥義塾の外
今回のコラムでは、「地方の観光」の話をしたいと思います。地方にとって、観光産業は潜在成長力のある分野であることは言うまでもありません。2014年には訪日外国人観光客が約1341万人となり、今年も大きく伸びているわけですが、世界レベルで見れば国際観光客数は11億人超。日本にとってはまだまだ攻めて行ける「可能性に満ちた分野」です。 しかしながら、地方の有名観光地を訪れると、残念ながら「可能性は可能性のまま終わり、そう簡単に成長はしないだろう」と感じるのです。 わかっちゃいるけど辞められない「過去」への依存 どういうことでしょうか。 有名観光地においては、どこでも独特な商慣習があります。「歴史的資産を見に一生に一度は訪れたい」というレベルの観光地なら、黙っていても大量の観光客が毎年続々と訪れます。 特に、神社仏閣などでは御開帳や遷宮など、さらに爆発的に人を呼び寄せるタイミングがあり、「コバンザメ
2015.08.17 経営・マネジメント 「失業なき労働移動促進政策」がもたらす、日本型終身雇用制度の終焉 川崎 隆夫 株式会社デュアルイノベーション 代表取締役 8月14日の閣議に提出された2015年度の年次経済財政報告(経済財政白書)には、初めて「失業なき労働移動の促進が重要」との認識が示されました。「失業なき労働移動の促進」政策によって、今後雇用環境はどのように変わっていくのでしょうか? 甘利明経済財政・再生相は、8月14日の閣議に2015年度の年次経済財政報告(経済財政白書)を提出しました。今回提出された経済財政白書の中で注目される点は、「失業なき労働移動の促進が重要」との認識を、初めて打ち出していることです。 ■「失業なき労働移動促進政策」の概要 一か月ほど前の話になりますが、日本経済新聞は「転職しやすい社会へ踏み出せ」というタイトルの社説を掲載しました。 転職しやすい社会へ踏み
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略) 2015年8月8日10時0分 紙面から ★首相・安倍晋三は広島市で行われた6日の平和記念式典のあいさつで「非核三原則の堅持」に触れなかった。戦後70年談話もそうだが、踏襲し続けることの大切さを感じる。 ★同日朝、衆院議員・亀井静香は自身の公式サイトやフェイスブックなどに「70年の節目に思う」という一文を寄せた。「ピカッ! 山波の彼方でキノコ雲が立ち上がった。『白血球測る晩夏の渇きかな』 俳人の姉が二次被爆で死にました。放射能はその場で命を取るとは限らない。今、日本は一時的権力で、しかも一国会で抑止力を強化すると称して憲法解釈を変え、アメリカの都合の良いように安保条約
保険は、誰でも簡単につくることができます。しかし、そのことを多くの人は知りません。保険は保険会社がつくるものだと、頭から信じ込んでいます。これは日本人の保険の非常識のひとつです。保険は保険会社が独占的に扱うものではありません。米国では保険会社に不満があると、消費者が自分たちで保険をつくってしまいます。 決して難しいことではありません。保険はそもそも共同体のなかで自然発生的に生まれた助け合い制度です。だから、難しいものであるはずがありません。高度な専門性を持った保険のプロでないと保険はつくれないと考えたら、それは間違いです。 では、実際につくってみましょう。町内会の住人たちが自分たちで保険をつくる場合を考えてみます。 まずは、町内会の仲間を集めよう 保険づくりは仲間を集めることから始まります。保険は助け合い制度ですから、ひとりではつくれません。長年住み慣れた町内の仲間を集めることにしましょう
原発が立地する自治体の道県議計6人が、地元の原発工事を受注する会社の役員や顧問に就任し、報酬や株主配当を受けていたことが朝日新聞の調べでわかった。関係する6社の原発工事受注額は、東京電力福島第一原発事故後で少なくとも計10億7千万円。6議員は議会などで、原発の再稼働を促す考えを表明している。 親族が経営する会社の原発工事受注は、立地市町村の首長や議員でも発覚している。原発の安全性や妥当性を審議する立場の議員が、原発事業者側から利益を得る構図で、原発立地の各地に広がっていた。 朝日新聞は、原発が立地する全国13道県の全道県議を対象に、議員側が報酬を受けている企業について議長に報告する関連会社等報告書(2014年提出分)を調査。記載された会社について、各社が国や道県に提出した工事経歴書を調べた。議員は15年6月時点での現職に限り、同年4月の統一地方選などで落選・引退した議員は除いた。 その結果
本連載前回記事では、地方の赤字路線バスを再建するにはどうしたらよいか、読者の皆さんに考えていただいた。果たしてどのようなアイデアが出たでしょうか。今回ご紹介するのは、埼玉県川越市に本社を持つ従業員180人のイーグルバス株式会社。たまたま6月25日放映の『カンブリア宮殿』(テレビ東京系)でも取り上げられたので、ご覧になった方も多いのではないか。 赤字事業の問題を発見する 観光バス事業を営んでいたイーグルバスは2006年、西武バスが撤退した日高-飯能の赤字路線バス事業を引き継いだ。谷島賢社長は再建策を練る前に、まず問題がどこにあるか突き止めることにした。 赤字事業では、問題の所在がわかっているようで実はよくわかっていないことが多い。社長自ら路線バスに乗って状況を観察し、地元大学の協力を得て地域住民の全戸アンケートを実施するなど、路線バス事業の問題を利用者の立場に立って徹底的に「見える化」しよう
ISまちライブラリー大阪天満橋 / 蔵書数 10,006冊大阪天満橋にあるアイエスビル3階は、レトロな家具で飾られたイベント利用なライブラリーと吉野の木で囲まれたコワーキングスペースになるライブラリーと二つあります。近くで働く人、住む人、イベントに参加する人の癒される都心のオアシスです。 Organic Café Lulu / 蔵書数 5,929冊木場公園すぐ近くのオーガニックカフェです。併設の英語幼児園Learning Treeの給食もここで作っています。Learning Treeに通う子どもたちの授業でも使われる英語の本や絵本などをそろえています。 library&workshop MAYU / 蔵書数 272冊愛知県岡崎市の中央図書館や絵本専門店のある自然ゆたかなエリアに位置する「シェア私設型図書館&ワークショップスペース」です。個性ゆたかな本棚が壁一面に並んでいます。 Room n
11月16日に投開票を控える沖縄県知事選挙。現職・仲井眞弘多知事による、米軍普天間基地の辺野古移設を目的とした埋め立て承認の是非が最大の焦点だ。この推進・反対をめぐり県内保守勢力が分裂。国内米軍基地の7割以上(面積比)が集中する沖縄で、基地返還への熱気が近年最大の盛り上がりを見せている。 一方で「問題は基地が還ったその後にこそあります」と指摘するのは、社会学者の宮台真司だ。10月には作家・仲村清司との対談本『これが沖縄の生きる道』(亜紀書房)を上梓し、従来とは別の角度から沖縄を論じている。琉球諸島へ何度も足を運び、元知事・大田昌秀氏とも議論するなど、深い場所から沖縄の考察を試みる宮台にインタビューを敢行した。話題は沖縄だけに留まらず、地方の〈ヤンキー〉、ネット右翼問題、そして〈劣化〉問題へと発展。前・後編にわたってお届けする。 ……………………………………………… ──まずは今回の沖縄県知
泥憲和さんの従軍慰安婦についての一連の論考(Facebook)は極めて優れたもので、巷にあふれる右派の嘘・歪曲を元から絶つものです。 そこで、泥さんの了承を得て、以下にその一連の論考をまとめて掲載することにしました。 じっくりお読みください。 なお、環境依存文字(○内に数字)は化けるので1)等に変更してあります。また、レイアウト、色付け等は、当方(古林)にて適宜調整しました。 印刷用にPDFファイルを用意しました。 ご利用ください。 =>クリックでダウンロード リンク切れ、リンクの誤りを修正しました。一部のリンク切れは現在調査中です。2014年12月4日 追記: 【従軍慰安婦の真実】英語版が出来ましたのでご紹介します。 米国在住の三枝恭子(さえぐさきょうこ)さん(言語学)が【タケセンの「思索の日記」】を読んで、ぜひ英訳を、と申し出てくださいました。その成果がこの”The Truth abo
お父さんたちが山の工房で始めた木工仕事 沿岸北部の野田村の山奥にある工房でお父さんたちがつくる木工製品。どんこやほたて、ふくろうなど、野田村にゆかりのあるものをモチーフにした『たつのだ』シリーズが人気です。 ツイート 仮設の集会所は、かかあ天下。料理教室に編み物に、女性たちは楽しく集まっています。一方、困ったのが定年後のお父さんたち。さて、何をして過ごそうか…?野田村のお父さんたちが選んだのは、木工。山奥の工房に通い、素朴な製品をつくりはじめました。それがきっかけとなり、ついには太陽光発電所まで建ててしまったというから驚きです。一体、どんな経緯があったのでしょう?「だらすこ工房」代表の大澤継彌さんに教えていただきました。 ひっそり整備してきた、大人の遊び場 野田村は岩手県北東部にある、人口4000人強の小さな村です。車で山道をくねくねと走ると、急に右手の視界が開け、さんさんと日光を受けなが
2013/4/12 為末大のかけっこプロジェクトがみんナレでスタートしました! 世界陸上銅メダリスト 為末大のかけっこプロジェクトサークルが提供開始になりました! 子どもたちの正しい走り方を学べる為末メソッドのトレーニングメニューを 「28のドリル」にして提供しています。 さらに、コミュニティでは、為末大から直接アドバイスが来ることも! コミュニティで語り合いながら、お子さまの正しい走り方について学習して行きましょう! 詳しくは、サークルトップでご確認下さい! ・関連書籍「子どもの足をすぐに速くする!」(扶桑社)1575円(税込) 為末大のかけっこプロジェクト ~子どもの足を速くするドリル28~ 世界陸上銅メダリスト「為末大」のかけっこプロジェクトがみんナレで始動しました! ~正しい走り方で、子供の足は必ず速くなる~ あらゆるスポーツの基本となる「走る」こと。 ですが、子
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