15世紀から20世紀にかけて、西洋では女王や王妃たちが活躍しました。リーダーとして名をはせる女性、美貌を武器に世を渡り歩く女性――残されている絵画から読み解くさまざまな人生ドラマを、ご堪能ください。 ▼運のいい女と悪い女 国王や王妃の運がいいとその国も幸せになり、その逆もしかりです。“運”を引きつける鍵はどこにあるのでしょう? 没落する王朝と、栄えゆく王朝の女の運命 「戦争はほかのものにまかせておくがいい。幸いなるオーストリアよ、汝は結婚すべし」。オーストリア・ハプスブルク家の家訓はあまりにも有名です。中世から20世紀初頭まで、約650年も続いた王朝で、冒頭の家訓どおり、ほかの王室との婚姻外交で体制を維持し領土を拡大しました。しかし政略結婚は時に不幸を生むもの。その犠牲者の1人が、ハプスブルク家随一の美女といわれたエリザベート皇后です。 ハプスブルク家随一の流浪の皇妃 エリザベート皇后 オ