一冊のスケッチブックが大好きなアーティストの手から手へと渡ったら――。そんな「遊び」のような思いつきから、世界の著名アーティスト71人の作品集が生まれた。4年半で12カ国を巡ったスケッチブックはチャリティーオークションで途上国に図書館などをもたらした。 「スケッチトラベル」。日本でも先月、画集が出版されたこのプロジェクトは、映画「トイ・ストーリー3」を手がけた米国在住のアートディレクター堤大介さん(37)が企画した。6年前、知人のフランス人イラストレーターから持ちかけられたアイデアがきっかけだった。 2人はパリで意気投合し、さっそく尊敬する絵本作家の連絡先を電話帳で調べ、無理を承知で依頼。自分たちにとってあこがれのアーティストの名を挙げて「夢のリスト」を作り、参加を呼びかけていった。 断られることも多かったが、半年後にはネット上でも話題になり、200人以上の申し出を断らざるを得なくなった。