このブログを読んで下さっている読者の方々から時々あるご質問にタモキシフェン(TAM)の投与期間に関するものがあります。これまでの標準的な考え方は、TAM2年投与より5年投与の方が成績は良く、5年以上投与では5年投与に比べると上乗せ効果に乏しく(NSABP B-14、Scottish adjuvant tamoxifen)、子宮体がんなどの有害事象が増加するため、乳癌診療ガイドラインにおいても投与期間は5年間が推奨されるというものでしたので私もそれに基づいてお答えしてきました。 ただその一方で5年以上投与の有用性を報告した論文もありました(Eastern Cooperative Oncology Group)。また、TAM 5年以上投与が否定された上記の比較試験は、症例数が十分でなかったり、ホルモンレセプター(HR)が陽性ではない症例も含まれていたりという問題点がありました。そこでHR陽性症