ブックマーク / wedge.ismedia.jp (7)

  • 日本の相対的貧困率、米韓にも抜かれ先進国最悪に

    2023年7月4日、厚生労働省から『国民生活基礎調査』の最新値が公表された。21年の相対的貧困率は15.4%。経済協力開発機構(OECD)が公表する各国の貧困率の最新値でみると、米国(15.1%)、韓国(15.3%)に抜かれ先進国最悪となった。『ルポ貧困大国アメリカ』が大ベストセラーになった08年から15年、日貧困大国になろうとしている。 相対的貧困率は改善しているが…… 厚生労働省は、国民生活基礎調査をもとに3年ごとに相対的貧困率を公表している。相対的貧困率とは、等価可処分所得が中間値の半分未満の世帯員の割合を指す。 日では127万円未満が基準となり、おおよそ6.5人に1人が貧困状態にある計算になる。なお、以降は慣例にならい相対的貧困率を、単に貧困率と表記する。 前回調査時点の18年の貧困率からは0.3ポイント改善した。子どもの貧困率は2.5ポイント改善して11.5%に、ひとり親世

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  • 土台から崩れゆく日本の科学、疲弊する若手研究者たち

    国内の大学の最高峰、東京大学。その将来有望な若手研究者が働く研究室─―そこは、そのイメージとはほど遠い苦境に陥っていた。 東大で物理学を研究する高山あかり助教は、研究室の現状をこう語る。 「プリンターのトナーや紙、そういった必需品の購入にも気を遣います。研究室の机と椅子も、他のところで不要になったものを譲ってもらいました。研究のためのは自腹で買うことも多いですね」 こうした物品の購入など研究を行うための経費は、基的に各研究者に配られる「国立大学運営費交付金」から支払われる。これは文部科学省から各国立大学の財布に入り、そこから各研究者に配分される補助金だ。国立大学の研究者にとって運営費交付金は何にでも使える「真水」であり、研究の基盤となる資金だ。 昨今ノーベル賞を受賞した研究も、こうした自由に使える基盤的経費が充実していた恩恵が大きいことは、2015年にノーベル物理学賞を受賞した東大教授

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  • 「質」が問われる海外留学

    有力大学がグローバル戦略で競うも、狙うのは文部科学省から支給される補助金。温室育ちのグローバル人材育成は「アームチェア留学」と揶揄され、人材像に対する企業と大学との間にあるギャップは大きい。 量の早稲田 質の慶應 「全学部生を海外留学」(早稲田、立教、一橋大学)、「留学生倍増」(京都大学)とする華々しい目標を掲げる。 海外に留学する学生の数は、2004年の8万2945人をピークに減少しており、10年には5万8060人にまで落ち込んだ。文部科学省はこの傾向の転換を図るため、14年度から20年度までに留学生数を12万人と倍増させる方針だ。 「トビタテ! 留学JAPAN」と名付けた政策の実現のために77億円の予算を組み、民間企業とも協力して高校生や大学生を海外留学させる新しい奨学金制度を創設した。安倍晋三政権の成長戦略の柱の一つとして位置付けられ、文科省もかつてないほどの力の入れようだ。 1学年

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  • 電気系学生の劣化 東大でもこの惨状

    「昨年までならゴールデン・ウィーク前までにほとんど片が付いたが、今年は5月末でもまだ決まっていない学生が多い」と、ある中堅私大工学部電気電子工学科の教授は嘆く。 電気・電子・情報系学科(以下電気系)でこうした異変が起きているのは、企業の採用数大幅抑制の影響だ。NECが2010年春入社の採用数を前年比で88%減らすほか、電機大手7社は合計で3割削減。エレクトロニクス業界では寒風が吹き荒れている。 とはいえ、就職に強い工学部のなかでも、もっとも強い電気系は、逆境にも耐えられるようだ。電力、NTT、鉄道などインフラ系の採用意欲は旺盛だし、設備系企業(インフラ企業の下請け施工会社やエレベータ管理会社など)や、印刷、品、素材など、例年は電機業界の大量採用で採れない業種からの引き合いが強まっているからだ。「“電気”のイメージがない品業界だが、製造ラインの管理構築などで優秀な電気系学生を欲している」

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  • 地方大学にも危機感 グローバル人材は地方にも必要

    国際競争という視点から見てみると、日の大学は理系からノーベル賞受賞者を輩出するなど、高い研究レベルを維持している。理系の場合、学部の頃から世界を視野に研さんを積んでいるが、「文系の授業をみるとタコつぼ型の授業が多く、競争原理が働いていない」とこぼす私立大関係者もいる。 物理学が専門の東島清・大阪大学副学長は「理系は高いレベルで競争してきているが、人文社会系学部は国際競争にさらされていない分野も多い」と話し、大学全体をグローバル化するためには文系学部を改革することが不可欠だという認識だ。その手始めに文系を中心に教員に対してこれからの新しい授業はどうあるべきかについて、昨年秋から「教員に対して学習成果を重視した主体的な学びを促す教え方の講習を始めており、今年から格的に行う」という。 学生との双方向の授業については経験がないため慣れない教員が多く、授業の進め方を教えるという。大学が変わるため

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  • “考える”ほどスリリングな遊びはない(前篇)

    哲学問題を、額に汗して考え抜いた師・大森荘蔵を継承して、 “哲学的思考とは何か”を実践的に探求し続ける野矢茂樹氏。 著書『新版 論理トレーニング』は、哲学分野で異例のロングセラー。 気で考えることの快楽を語らせたら、右に出る者はない。 高井ジロル(以下、●印) 先生は何哲学者なんですか。専門は分析哲学? 言語哲学? 論理学? 野矢茂樹教授(以下、「――」) 哲学というのはそういう質問に答えにくいものです。科学者なら研究しているものを見せればいいんでしょうが、哲学ではなかなかそういうものが見せられないのでね。 だから、肩書きはただの哲学者。専門は哲学。もう少し気分を出すなら、現代哲学か、あるいは分析哲学。言語哲学とか科学哲学ということはない。授業ではやりますが、専門ではない。哲学というのは、いろいろな問題がからみあっているジャングルみたいなもの。何哲学者なのかと聞かれるのは、ジャングルをパ

    “考える”ほどスリリングな遊びはない(前篇)
  • ドワンゴ・川上量生会長 「受験料徴収」の真意 大量の“廃人”を生み出す「就活」

    厚生労働省呼び出し事件の真相 ──首都圏の新卒者がドワンゴの採用試験を受験するとき、受験料2525円を払うことになりましたね。 これは今の就活のあり方に、僕なりに思うことがあるから。2525円なら大きな負担にならないだろうときめました。受験料は全額、日学生支援機構に寄付します。 他の方法も考えましたが、「お金を取る」ことは、今の就活が、いかに問題が多いかを世に知らしめる、いちばんいい方法だなと思いました。「お金を取る」のは単純には理解されないだろうから、様々な意見が出ると思いました。それが狙いでした。 ──特に今の就活のどこに問題を感じますか。 「リクナビ」はひどいと思います。学生をたくさんの会社にエントリーさせようと煽っている。会員登録すると人気ランキング上位の会社に全部エントリーしてみましょう、と勧められる。「まとめてエントリー」ボタンを押すと上位50社とかにいきなりエントリーされる

    ドワンゴ・川上量生会長 「受験料徴収」の真意 大量の“廃人”を生み出す「就活」
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