15年前から認知症を患っている石橋トキ子さん(84)。尿とりパッドを換えているのは、娘の和美さん(46)。1人で介護を続けている。 「死にたいっていうんじゃなくて、とにかく消えたい。もし何の罪にもならないのであれば、私は母を捨てたい」(和美さん) 長年の介護によって訪れた限界。特に、精神的・肉体的に追い込まれるというのが、排泄の介助だ。トキ子さんはおむつをしているが、自分の意思でトイレにいくことも多い。和美さんが外から戻ると、家の中が便まみれになっていることもあるという。 「便が硬ければまだいいが、柔らかいとあちこちに飛び散る。お湯で洗うと臭いがものすごく上がってくるので、それが辛い」 トキ子さんが就寝するのは午後8時。しかし、数時間ごとに起きては徘徊するため、和美さんが長時間寝ることは難しいという。現在はトキ子さんの年金(約7万円)と、姉からの仕送りで生活する中、月2回のショートステイ(