米国標準技術局(NIST)は7月25日、量子コンピュータ実現に向けた大きな前進を発表した。 同局は、レーザー光線の格子の中で数千個の原子がペアを作って同時に「スピン」を交換する状態を作り出すことに成功した。スクエアダンスでパートナーと位置を交換するように、原子が繰り返しスピン状態を交換する動きが10ミリ秒続いたという。このスピンの交換を、いつか量子コンピュータの論理演算に利用できるかもしれないと同局は述べている。 この原子のダンスは、原子がペアになって(上向きあるいは下向きの)スピン状態を交換するスワップ演算に欠かせないという。上向きスピンを「1」、下向きスピンを「0」とすると、従来のコンピュータビットは1か0のどちらかの状態しか取れないが、量子ビットは両方の状態を同時に保持することもできる。この状態で、スピン交換は原子のペアの「もつれ」――原子同士が物理的には離れていても、その特性がリン