原美術館で、1960年代から現在まで常に写真界の先頭を走り続けてきた篠山紀信の個展「快楽の館」が開催される。 2012年以来「篠山紀信 写真力」展が全国各地の美術館を巡回している篠山だが、今展はまったく異なるコンセプトにより、原美術館だけで開催するユニークな展覧会。テーマは1938年完成の邸宅が元になった原美術館を、篠山紀信がカメラによって《快楽の館》に変貌させること。出品作品はすべて撮り下ろしの新作で、およそ30名にものぼるモデルを起用したヌード写真が発表される。 今回展示される作品は全て原美術館で撮られたもので、プリントのいくつかは《撮影したその場所》の壁面に展示される。展覧会入れ替えの休館期間を利用して敢行された撮影。作品のない空っぽの展示室や、1938年の竣工当時の面影が残る階段、木々が繁り落葉が舞う庭、通常は公開されない屋上など館内のあらゆる場所で、佇み・座り・横たわり・跳び・躍