陸上最速の動物チーターは、飼育下の繁殖が難しい。本来、親子や兄弟以外は、雌雄とも単独で暮らす習性があり、自由に移動して相手を選ぶことができない動物園の「なれ合い同士」では発情が起きにくいからだ。多摩動物公園(日野市)は、雌雄を互いに見えないようにして発情を促し、タイミングを見てお見合いさせたり、複数の施設と協力し、移動したりして、多摩を含む3園の、いずれも日本生まれの個体がペアリングに成功した。2頭の雌でおめでたの期待が高まっている。【斉藤三奈子】 国内では戦時中の一時期を除き、1930年代からチーターが飼育されたが、繁殖につながらなかった。野生の場合、雌は複数の雄の縄張りを行き来し、自分の臭いを残す。雄は発情した雌が縄張りに侵入すると繁殖の準備に入り、臭いを頼りに追いかけ交尾する。繁殖季節が無いうえ、雌の発情周期もはっきりせず「出会いの刺激」が必要なのだ。
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