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ブックマーク / www.pressa.jp (1)

  • 絶望しかない過酷な現実を、映画は救わない

    超話題になっている園子温監督の最新作『希望の国』を試写で観た。テーマは福島第一原発事故だ。 この映画を「反原発の映画」と見る人もいるだろう。あるいは媒体資料では「社会派エンタテインメントの傑作が誕生」などと書いてある。でも私はどちらの表現もピンと来なかった。この映画は実に終末的な暗示に満ちていて、もっとも適したことばを探すとすれば、黙示録だ。作は、救いのない日の黙示録である。 設定は、東日大震災から数年後の「長島県」。ここで再び大地震が起き、原発が破壊され、メルトダウンする。福島をモチーフにしたのが明白な設定だ。 お話は、三組のカップルを中心にして展開していく。まず夏八木勲と大谷直子の老夫婦。原発から半径20キロの強制避難区域のすぐ外側にある家で、事故後もひっそりと暮らしている。大谷直子は認知症をわずらっていて記憶が混乱しているが、平穏な生活だ。 二つ目のカップルは、老夫婦の息子(村

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