そして完成したパズル*1は、古典的なガール・ミーツ・ボーイ。そりゃあ「キスからはじまるミラクルだってあるよね?」と問いかけられれば「あるよねー!」と同意するしかないわけで、まあこの場合、キスでミラクルは終わったんだけど、とにかく、彼女の求めた非日常、ワクワク・ドキドキを与えてくれるものは「恋」だった、って結論に異論はない。 だけど、ああだけど! 「なあんだ、涼宮さんもあんがいフツーの女の子だったんだ…」とつぶやきたくなっちゃう。男子からはおそれられ、女子の友達はひとりもいない、それでも夢見ることをやめなかった彼女が感じていた<いま>と<ここ>への不満の、退屈の、憂鬱の、解決策が「恋愛」?──そんなオチ、フツーすぎるよ。ぜんぜん涼宮ハルヒらしくない。 はじめて涼宮さんの目を輝かせたセカイ、「何もかもを巻き込んだ想像」は、キョンによって、具体的にはキョンのキスであっさり捨て去られた。そりゃあ、