裁判所前で無罪判決を喜ぶ支援者たち=東京都千代田区で2010年3月29日午前10時40分、三木幸治撮影 03年11月の衆院選前に共産党機関紙などを配布したとして国家公務員法(政治的行為の制限)違反に問われた社会保険庁職員(現・日本年金機構准職員)、堀越(ほりこし)明男被告(56)の控訴審判決で、東京高裁は29日、罰金10万円、執行猶予2年とした東京地裁判決(06年6月)を破棄し、逆転無罪を言い渡した。中山隆夫裁判長は「罰則適用は国家公務員の政治活動の自由に限度を超えた制約を加えるもので、表現の自由を保障した憲法に違反する」と違憲判断を示した。 判決はまず、国家公務員法と人事院規則の規定自体の合憲性を検討。「(一律に政治的活動を禁じている点で)問題がないわけではないが、それらは一部にとどまり、具体的適用の場面で対応できる」とし、合憲判断を示した最高裁判決(74年)と結論としては同じ判断を示し