2016年11月、家具販売大手の大塚家具が決算を公表した。 上場企業である大塚家具は3カ月に1度の決算公表が義務付けられている。第三四半期、つまり9カ月が経過した時点で公表した決算書(決算短信)では2015年末と比べて手許現金(現金及び預金)が約109億円から19億円と8割以上、90億円も激減していた。 大塚家具が新体制でも大赤字に陥る本当の理由 でも書いたように大塚家具は無借金経営であり、資金繰りがここまで悪化することは想定外だった。 大損してるから現金が減ってるんでしょ?という指摘は確かに間違ってはいない。9月末の時点で損失は約40億円に膨らんでいる。ただ、赤字の倍以上の現金減少は異常事態に見える。ただし、会計のルール上、赤字=現金減少とは限らない。赤字で現金が増えることはあり、黒字で現金が減ることもある。 公表された決算書からその原因を読み解いてみたい。 ■キャッシュフロー計算書とは