東京湾で、外来種である台湾のハマグリが初めて確認された。日本在来ハマグリは絶滅危惧種。東京湾では「江戸前」ハマグリの復活を目指し、日本種を台湾で繁殖し、持ち帰って放流しており、専門家はこれに混入した可能性があるとみている。台湾種が定着すると在来種の生息地を奪ったり交雑したりする可能性があり、せっかくの江戸前復活の試みが裏目に出る心配もある。 調査研究は沖縄国際大の山川彩子講師(海洋生物学)らが2004年から昨年にかけて行い、昨年末発行のフィンランドの査読付き論文誌「アクアティック・インベージョンズ」に掲載された。 日本、韓国、中国、台湾の12カ所で採取したハマグリの細胞内にあるミトコンドリアのDNAを調べたところ、東京湾・葛西海浜公園(東京都江戸川区)の人工海浜では、62個のうち6個が台湾種と同じだった。