この背景にあるのは、いまネットの世界で最もかまびすしく言われている“FMC”(Fixed Mobile Convergence=固定通信と移動通信の融合)だ。W-ZERO3を、無線LAN接続のブロードバンドに繋げていると、固定通信(ADSLや光などケーブルで繋がるネット)と移動通信(携帯や無線LANなどケーブル不要のネット)の境目が、いかにあやふやになっているかを理解できる。公衆無線LANは移動通信の世界に近いが、自宅の無線LANは、限りなく固定通信だからだ。しかも、フルブラウザーをVGAの画面で使っていると、W-ZERO3は、もはや携帯よりも固定通信の方に近い使い勝手となる。 これまで固定通信と移動通信は、それぞれ別の業界としてやってきた。移動通信ブランドである“au”と、光やISPといった固定通信サービスを両方提供しているKDDI(株)を別にすれば、それぞれプレイヤーは別の会社だった。