デジタルカメラの普及が進む中、フィルムカメラや周辺機材の出荷減少が止まらない。そうした状況に危機感を抱くプロ写真家らが銀塩写真(フィルム写真)の魅力をアピールする取り組みを始めている。時あたかも写真を芸術まで高めた土門拳生誕100年の記念すべき年。銀塩写真に未来は--。【岸桂子】 ◇出荷台数激減 デジタルカメラは95年ごろから普及し始め、01年にはフィルムカメラを抜いた。そしてフィルムカメラの危機が深刻化したのは06年。ニコンがフィルムカメラ事業を縮小、コニカミノルタホールディングスはカメラ、フィルム事業からの撤退を相次いで発表したからだ。 業界団体の一つ、日本カラーラボ協会によると、07年のデジタルカメラの出荷台数は前年比16%増の1098万台だったのに対し、フィルムカメラは同58%減の5万4000台。ざっと200倍もの差がついている計算で、業界団体のカメラ映像機器工業会は08年1月を最