昨年11月、EU離脱をめぐって閣僚辞任が相次ぎ、落胆を見せたメイ首相 Matt Dunham/REUTERS ・メイ首相が昨年11月にEUと交わした離脱条件は、イギリスが今の立場で望める最大限の利益を確保するという意味で、現実的だったといえる ・しかし、それぞれの主張を全く譲ろうとしない離脱派と残留派の挟撃は、メイ首相を辞任に追いやった ・党派的イデオロギーが合理的な妥協をはねつける状況は、民主主義の模範とみなされてきたイギリスの凋落を物語る メイ首相の辞任はEU離脱をめぐる混乱だけでなく、「民主主義の模範」とみなされてきたイギリスの凋落を象徴する。そこには「国民が主人公」という有権者の「有力感」に潜む落とし穴を見出せる。 「合意なき離脱」へのキックオフか イギリスのメイ首相は5月24日、6月7日をもって与党・保守党の党首を辞任すると発表した。 メイ首相の辞任は、本来4月12日が期限だった
![メイ首相辞任でイギリスの凋落が始まった](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/d5926a6aa18c868e06b1f33d33a3f64fad8530ea/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.newsweekjapan.jp%2Fmutsuji%2Fassets_c%2F2019%2F05%2FREUTERS190527_May-thumb-720x507-160387.jpg)