今年7月26日、中国軍が南シナ海で行った実弾軍事演習でミサイルを発射する艦艇(新華社)=AP 【北京=峯村健司】中国軍が南シナ海の離島の占領計画を策定した背景には、東南アジア諸国が実効支配で先行する南シナ海での劣勢を一気に覆そうとの意図がうかがえる。中国政府はこの海域で漁船保護を名目に大型漁業監視船の活動も活発化させており、経済力と軍事力を背景に実効支配を既成事実化する狙いがあると見られる。 「南シナ海地域の平和と安定を維持し、友好、協力の海にするため引き続き力を尽くす」。雲南省昆明に中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の外務省局長級が集まった「南シナ海行動宣言」作業部会は今月23日、従来通りの声明を発表しただけで具体的な進展はなかった。 行動宣言は2002年に双方が領土問題を棚上げにして紛争の平和解決のために採択。ASEAN側は具体化する指針づくりを呼びかけているが、中国側は積極