来週の横浜APECではTPP(環太平洋自由貿易協定)締結へ向けての交渉が本格化すると思います。80年代の日米貿易摩擦、そして牛肉オレンジ交渉や米輸入自由化交渉など、様々な形で日本は農産物輸入に関する障壁を守ろうとしてきましたが、ここに至ってそうした国内農業保護の政策は大きな転機を迎えそうな雲行きです。では、日本の農業は、農政はどうして行ったら良いのでしょうか? ここ30年ほどの日本では、都市部を中心に漠然とした形で「莫大な税金が投入されても、まだまだ市場を関税などで保護しないと成立しない農業」への否定的な視線が続いていたように思います。必死で働いてトヨタやソニーが世界一の品質を実現していても、自国の農業市場が閉鎖的なので、貿易摩擦の際に思うように自由貿易を主張できない、そんなフラストレーションが都市部を中心とした世論にありました。ただ当時の自民党を中心とした政局に関しては、都市対地方という