鳩山由紀夫首相が今月ワシントンを訪れた時、日本政府関係者は必死にバラク・オバマ米大統領との個別会談を設けようとした。 結局、鳩山首相はたった10分間の会談に甘んじるしかなかった。それも夕食会の最中のことで、オバマ大統領は会談よりも前菜とワインの方に関心があったかもしれない。 こうした出来事は日本にとっては重大だ。ある古参の政治家は、冷たいあしらい――東京では必然的にそう見なされた――は「屈辱的だ」と述べた。同氏はさらに、鳩山首相が集合写真の撮影の際に端へ追いやられたと指摘する。外交の世界では、シベリア追放に等しい仕打ちだという。 これらの儀礼上の小話を深読みし過ぎるのは間違いだ(もっとも、深読みするのは、いつだって楽しい)。しかし今回のひじ鉄砲の背景には、現実的な問題が存在する。1945年以降、東アジアの安全保障の礎となってきた日米同盟がこれほど不安定に見えることは過去何年もなかった。 直