世界で、日本はどう報道されているのだろう。国内総生産(GDP)こそ、なお世界第2位の経済大国といっても、アジアでのニュースの主役は、存在感を増し続け、活力あふれる中国やインドだ。日本の政治は混迷を深め、外交の基軸も定まらない。かつての勢いを失い、漂流する日本に、ニュース価値はあるのか。日本報道を担う海外メディアの東京特派員たちは、それでも「ある」と言う。
[第19回] 引きこもりの若者が日本社会を映す マイケル・ジーレンジガー Michael Zielenziger ジャーナリスト ある引きこもりの若者は「普通の人は本音と建前を使い分けられる。でも、私は本音を伝えたいし、建前をうまく使えないからコミュニケーションがうまくいかないんだと思う」と話した。周囲になじもうと必死に努力しても、本当の心情を隠せないために、自らをよそ者のように感じてしまうのだ。 時を経て、若者の「引きこもり」の苦境が、日本の現代の病理を理解する強力な比喩になることがわかった。深い意味で、日本はまだ大人になりきれておらず、大人の責任を果たしていない。 第2次大戦後、日本は巨大な経済の筋力を持つ若者に急成長した。しかし、それと不釣り合いなことに、グローバルなかかわりや企業システムについての感覚は育っておらず、個人の責任を骨抜きにし、起業精神を抑圧していた。 疑うまでもなく、
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く