設計者や施工者にとって、木材は外材であれ国産材であれ、より品質の高いものを、より安く使いたいというのが本音だろう。循環型社会、サスティナブル・デザインの必要性というお題目はあっても、現実にコストが高くついてしまえばお客さんは使ってくれないのが現実だからだ。 たしかに国産材は高いイメージがある。木曽桧や秋田杉、北山杉などのブランド銘柄ではなおさらだ。実際のところ、外材に比べ国産材はどのくらい高いのだろうか。そして、本当に「高いから」使えないのだろうか。 もう一つは、「品質」である。荻氏は戦後、その良質性から新たな全国銘柄となった「東濃桧」を例に、@歩切れのない正量品、A良心的仕分け、B乾燥、Cきれいな仕上げ、を挙げている。 結論から言えば、国産材はすでに、外材と比べ高い商品ではなくなっている。残る一方の品質が問題となるが、それについては「(国産材が外材に負けたのは)要するに国産材の品質があま