[写真]5月16日、イラクのラマディ東部で「イスラム国」の攻撃から自分たちの本部を守るイラク政府軍。その翌日、ラマディはISに制圧された(ロイター/アフロ) 米軍を中心とする有志連合の空爆にも関わらず、「イスラム国」(IS)の勢いが再び盛り返している。イラクでは、それまでイラク政府軍が死守していた西部アンバル県の県都ラマディを攻略。いまやイラク西部を広範囲に手中に収め、さらに北部のクルド人自治区の近傍でも活動を活発化させている。 他方、シリアでもダマスカス市南部のパレスチナ人居住区であるヤルムーク難民キャンプの一部を奪取したほか、それまでシリア政府軍が掌握していた中部ホムス県の遺跡の町パルミラも攻略した。北部の中心都市アレッポの近傍でも再び攻勢に出ている上、ホムス県の主要部にまで迫る勢いだ。 「イスラム国」をめぐる情勢を簡単に振り返ってみると、まず昨年6月にイラク西部で一斉攻勢をかけ、一気