カナダのオンタリオ州北部に位置するアタワピスカト先住民居住区で自殺未遂が急増している。同地区には約2000人が住んでいるが、2015年9月以降、100人以上が自殺を図り、そのうちの1人が死亡。16年4月も9日までに11人が自殺未遂を起こしており、地区の指導者層は満場一致で非常事態を宣言した。 地区長のブルース・シシーシュによれば、発端と見られるのは15年9月に10代の少女5人が服薬自殺を図った事件だ。それ以降、自殺を試みる人が増加傾向にあるという。4人の保健従事者が不眠不休で事態に対応しているが専門家ではないため、カナダ政府は5人の精神科医を派遣することに決めた。 彼らを自殺に追い込んでいるのは、社会への絶望感だ。カナダの先住民は約140万人(人口の約4%)いると言われているが、貧困率が高く、医療や教育をまともに受けることすらままならない。老朽化した2〜3LDKの住まいに15人で住んでいる
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