『ジェンダー目線の広告観察』を上梓して、ポリタスTVに出演する機会を得た。本の刊行から間もない時点での出演だったので、番組を見て本を手に取ってくれる方が多く本当に感謝している。 この番組の中で、作家の白岩玄氏が男性学研究者の田中俊之氏との対談の中で「バカとエロの大縄跳び」と表現したことについて言及し、男性向けエステの広告の表現を分析した。「バカとエロの大縄跳び」とは、男性が成長過程で仲間からの同調圧力として経験する、一緒にバカなことをしてエロを受け入れないと周囲から男の子として認められないという強制力を持った言動のことを指す。 この言葉を反芻しながら、旧態依然としたジェンダー規範と性差別的なジェンダー役割構造の再生産から抜け出せないでいる広告産業全体のことのみならず、男性中心社会のハラスメント構造について考える。 男同士で連むことで大縄跳びを延々と回し続け、そこから「一抜けた」と離脱するこ