90年代半ばから2000年代まで、ファッションとアート双方の分野でコンスタントに作品を発表してきたフセイン・チャラヤンの作品を俯瞰する展覧会が、東京都現代美術館で開催されている。 展示はシルクのドレスを数カ月間土に埋め、掘り起こしたというエピソードが有名なセントマーティンズ卒業制作の服から、最新の映像作品まで。これまで、90年代にはロンドン、2000年代はパリでファッションショーを行い、映像作品はトルコ、イスタンブールの現代アートギャラリーで定期的に発表。現在はパリで年に4回のファッションショーをこなし、ビジネスをハンドルする一方で、数々のアートプロジェクトも行うという稀有な立場にいる。 ファッション界のデビューは94年春、ロンドンのファッションウィークで。コンセプチュアルなファッション・デザイナーの仕事が、アートシーンからも脚光をあびた90年代に、航空力学や哲学、考古学、遺伝人類学、科