トランプ後のアメリカ音楽はいかなる変貌を遂げるのか――。激変するアメリカ音楽の最新事情を追い、21世紀の文化=政治の新たな地図を描き出す! 「この日がやってきた。みんな投票しに行って!」 アメリカ大統領選の投票日となる2016年11月8日、ひとつのツイートが話題になった。一般人に紛れて投票所に並ぶ自分の写真を添えて、テイラー・スウィフトがSNSにメッセージを投稿したのだ。そのポストはたちまち3万回近くリツイートされ、13万回以上の「いいね」がついた。ケイティ・ペリー、ジャスティン・ビーバー、バラク・オバマに続いて世界第4位、8400万人のフォロワー数を誇るテイラーの投稿がこれほど話題になったのには理由がある(1)。 多くのファンやジャーナリストの要請にもかかわらず、彼女はこれまで大統領選について一切コメントをしてこなかったからである。 これはアメリカのセレブリティーとしては比較的めずらしい
![1.テイラー・スウィフトとカントリー・ポップの政治学|アメリカ音楽の新しい地図|webちくま(4/4)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/d3d186897d09747721d879ee032a820ae4262ffe/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fchikuma.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F9%2Ff%2F660m%2Fimg_9f5186925a9d7940c0262d065816cc2c963971.png)