Webクリエーションと作家性とは並び立たない――qubibiこと勅使河原一雅さんの作品を見ると、そんな先入観が吹き飛んでしまいます。カンヌ国際広告賞で銀賞に輝いた『DAYDREAM』、雑誌『PEN』の依頼で制作した『INDIA』、最新作の『hello world』。そのいずれにも「おかしい」や「怖い」の一言では片付けられない独自の世界観が息づいています。聞けばグラフィック制作からプログラミングまでを1人でこなしているとか。あらゆる先入観から解き放たれているかに見える勅使河原さんの作品は、果たしてどんな現場から生まれているのでしょう? テキスト・松本香織 撮影:CINRA編集部 勅使河原一雅てしがわら かずまさ Webクリエイター・映像作家。1977年池袋に生まれ、池袋に育つ。中学校卒業後、日本橋服地加工工場に勤務。20歳のとき出版社のアルバイトで初めてWeb制作に携わる。のちWeb制作会社