6月10日に行われた件のイベントに行ってきたわけですが、さて何か感想を記そうと思っても、細かいところまで思い出せないです。予想以上にポーっとなっていたみたい。巽昌章氏がツカミに「論理の蜘蛛の巣の中の人です」と言ったのには、ニヤリとした。――で、やっぱり、道尾秀介氏の「本格ミステリほど<人間>を描くのに適したジャンルはない」との発言ですね(言い回しちがったかな)。これを受けて、巽氏か法月綸太郎氏が、「新本格」が「人間が描けていない」と批判されていたころの<人間>と、現在の<人間>の意味するところが変容しているというようなことを言った(と思った)。…………伊藤整が「戦前のプロレタリア文学が果たせなかった資本主義社会の暗黒を、清張が描き出すことに成功した」と評価したのは、有名な話で、プロレタリア文学も大元を辿れば自然主義に行き着くわけだから、といっても少なくとも清張ブームは昭和40年過ぎには終わ