平均的日本人が、病気以外で明日死ぬとしたら、どのような死に方の可能性が高いか? これ、かなり意外な結果になります。なぜ我々の死についての思考パターンはこんなに狂ってるんでしょうか。今日は、死ぬのに理由なんてないほうがいいよね、ということについて考えます。 竜夫は家に帰ると井戸水を腹一杯飲んだ。そして押し入れの中に潜り込んだ。なぜそうしているか、自分でも判らなかった。襖を閉ざして、狭い押し入れの中に身を屈め、隙間からこぼれてくる光を睨んでいた。 おとなになっても、ほんとの友だちでおるちゃ。 関根の声が暗闇の中から聞こえてくるような気がした。自分も一緒に釣りに行っていれば、関根は死ななかったろうかと思った。体を左右にくねらせながら、古びた自転車を懸命にこいで道の向こうに消えていった関根のうしろ姿が竜夫の胸に浮かび上がってきた。竜夫は自分以外には誰もいない家の押し入れに身を隠していつまでも座り込