■■第1章:「ヒトラー・ユーゲント」の誕生 ●第一次世界大戦後、ドイツ国内では敗戦を潔しとしない右翼勢力と、更なる革命的政府の樹立を叫ぶ左翼勢力が対立していた。これらの勢力は将来のための若年層獲得にも余念がなく、その影響下に多くの「青少年組織」が乱立していた。 1920年に創設された「ナチ党」も、「青少年を掌握するものが未来を掌握する」ということを熟知していた。それゆえ、当初より党の宣伝は、青少年の獲得を目指して行われた。 1922年3月に「ナチ党青年部」が設立され、19歳のアドルフ・レンクが指導した。まさに「青年を指導するのは青年自身」であった。 「青少年を掌握するものが未来を掌握する」 ということを「ナチ党」は熟知していた ●しかし翌年、「ミュンヘン一揆」の失敗により党活動が禁止され、青年部の活動は中断する。その後、ヒトラーが恩赦で釈放され、1925年に「ナチ党」が再結成されると、同年