大阪大病院は、膵臓(すいぞう)と腎臓の同時移植手術を3年前に受けた40代の女性が13日に出産した、と発表した。母子ともに安定しているという。阪大によると、国内で脳死した人から臓器の移植を受けた患者の出産は初めてではないかとしている。 女性は重い糖尿病で2000年に待機患者として日本臓器移植ネットワークに登録。07年に脳死した人からの膵臓と腎臓の同時移植手術を阪大病院で受けた。 阪大病院によると、女性は13日夕、2882グラムの男児を出産。「ドナーとそのご家族に感謝しています。移植がなければここまで至らなかった」と話したという。 国内の脳死下での臓器提供は13日現在で102例。臓器移植法の改正後に提供が増えている。女性の移植手術をした伊藤壽記教授(消化器外科)は「患者の待機期間が短くなると、安全にお産ができる症例も増えてくると思う」と話した。